さて、いよいよ個展の準備も残すところ、仕上げ作業と事務仕事となり、
高ぶる緊張感とは逆に時間的には少しだけ落ち着いてきました。
そんな中、この辺りでは3部咲きの染井吉野より少し早く、
この辺りでも珍しくなった淡墨桜が、里山を彩りだしました。
小振りで淡い色のかわいらしい花を付けた枝振りが、青空に映えます。
毎年、濃い緑の針葉樹を背景に鮮烈に春を告げてくれています。
日も傾いて、すっかり鑑賞し終えて立ち去ろうとすると、畑仕事中のおじいさんに
声を掛けられました。この木の持ち主とのこと。
見掛けんヤツがきたけど、桜を熱心に観てるのでうれしくなって声をお掛けくださった
とか。いえいえ、この辺りはよく自転車で走っているのですが・・・。
今日は徒歩だったので気付いてくださったのでしょう。
しばし、この木を植えた頃のお話を聞かせていただいて、少しだけ和やかな
気持ちにさせていただきました。
日も暮れて、そんな和やかな気分のままの仕上げ作業、その雰囲気を大事に
壊さないように聴いていたのは、
Nick Drake『Pink Moon』。
あまり幸せとはいえない悩み多き短い一生の間に、3枚のアルバムを残し、
そのどれもがとても心に染み渡るやわらかいギターの音色と歌声。
いいです。