さてさて、今は絵付け真最中なのですが、
今回は私的トンチ技法、「ロクロを用いた陶板」です。
毎度のことで恐縮ですが、あくまで「私的」なので、これが正解ではありません。
うまくいかないなぁ・・・とか、もっと要領よくできる手段はないか・・・など
切羽詰まって、お困りで、興味をお持ちになりましたらお試しください。
陶磁器で平らなものを造ろうとすると普通にタタラで作ったんでは
乾燥のときや焼成のときに歪んでしまう・・・。
このようなときには、世にはセラ・ローラーなる機械がありますが、
安いものでもありませんし、けっこうな場所もとってしまいます。
また、紐造りなんていう手段もありますが、たくさん作りたいときには
けっこう時間がかかってしまいます。
そこでロクロを利用します。
今回は、45cm×25cmで厚みが1cmぐらいのものを作ります。
工程1
まずは、板の上にで筒を引きます。
今回は、45cm×25cmで厚みが1cmが目標なので
余裕をもってθ20cm×h27くらいで約2cmの厚みで
引きます。
工程2
底まで穴を開けちゃいます。
覗き込むと板が見えます。
なるべく同じ厚みが理想ですが、
後でタタラで厚みを揃えますので
あまり神経質にならなくても大丈夫です。
工程3
ロクロからはずして次の工程へ。
底を切り離して、胴にも縦に
切り込みを入れます。
工程4
切り込みをいれた反対側に出来上がりより
大きい板をあてがいます。
そして・・・、
工程5
丸板の下をもってそのままゆっくり長板と
ともに傾けると長板の上に、ダラ〜っと
広がります。
今、上を向いているのが内側だったことに
なります。
最小的には、外側を表にしたいので
忘れないようにしてください。
工程6
タタラ板を使って厚みを揃えます。
最初は2cmの厚みでしたので
内側が上になっているときに1.5cmに
次に裏返して1cmにします。
工程7
このとき、外側だった方が上に
なっています。
さて、ポイントです!
この状態の段階でロクロ成型なので
横方向(長辺を横として)には、均一に
素地はしまっているのですが、縦方向の
締めが甘いので、ここで一度固めの
プラスチック板などを使って縦方向にも
しっかり土を締めます。
工程8
裏返して内側だった方も同じように
締めます。
これの工程は、乾燥時や素焼き時に
最初の筒の形の状態に巻き戻ろうと
するのを抑えるためですのでしっかり
やりましょう。
工程9
ここまで出来ましたら、一日寝かせます。
下に新聞紙を敷いてムロなどで(ムロが
無ければビニールなどを掛けて)ゆっくり
乾かします。
工程10
適度(
軽く指で押しても変形しない程度)
に水分が抜けたらもう一度、プラスチック
板を使って今度は全体を締めます。
それとともに表面をきれいに慣らします。
工程11
裏面も同じように締めます。
ちなみに今は、裏にしたい内側が
上面にきています。
工程12
さて、ここで余分なところをとって
好みの形に切りとります。
今回は、45cm×25cmにします。
工程13
焼き上がりの強度のために角を
落とすのも忘れずに・・・。
工程14
全部の角を落としたら裏返して
外側だった方を上面にしてすべての
角の面取りをしてやります。
工程15
これで出来上がりです。
なぜロクロ成型時の外側を
上面にすることにこだわるのかと
いいますと、途中工程8にも記述
しましたが、筒の形に巻き戻ろうと
するのを抑えるためでした。
これを応用して長皿などを作る時は
内側を上面にくるようにしてやれば
よいのです!
工程16
後は、以前アップしました「私的トンチ技法(陶板
紐通し穴)」編を参考にしていただいて、紐通しを
作ってゆっくり乾かせば完成!!
一度にたくさん作りたいようなときは、3枚〜5枚分ほどの厚みぐらいなら
ロクロ成型でしっかり締まるようです。
また、短いものを作りたいときに最初の筒をこさえるときに、あまり直径の小さい
ものを引いてしまうと、巻き戻る力が強くなってしまいますので、
大きめのものを作って切るといいようです。
例えば縦30cm、横8cm、厚み0.7cmの短冊型なら
直径25cm高さ18cm厚み1.5cmぐらいの筒をロクロで引いて
8枚とるみたいな・・・。
さてこの陶板、実はもう素焼きが上がって下絵付けをしております。
さてさて、どんなふうに焼き上がるのでしょう。
そんな絵付けをしながら聴いていたのは・・・、
David Lloyd-Jones 「ホルスト:組曲「惑星」」