今日も快晴です。
日中は過ごしやすい一日となりました。
明日は、少しくずれるようですが・・・。
さて、前回の続き、『私的トンチ技法/ロクロをを用いた多面陶匣』の仕上げ編です。
前回は、この状態で削れる頃合いに
なるまで感想させてありました。
ここからまずは形の仕上げを
していきます。
工程13
この状態は密閉されています。
これから外側から叩いたり撫で
付けたりするので、中の空気を
逃がすために小さな穴を開けます。
けっこうポイントです!
工程14
道具はやりやすいものでかまいません
が、密度の濃い金属などのほうが、
良いように想います。
小生はこのようなものを使っています。
工程15
これらの道具を駆使して、角を
しっかりたてて、面もだします。
このとき面にとらわれるより、
角さえしっかりまっすぐたてれば
形はきちんと見えてくるように
思われます。
工程16
まぁ、だいたいこんなぐあい・・・。
そしてこのとき出してやった面に
墨汁か赤インクで縦線を1面とばしに
1本、2本、3本、4本と書いておきます。
工程17
次に胴の真ん中辺りより少し下の
ところで切り離します。
なぜ真ん中より下か?
それは上部には外から見るよりも
けっこうな厚みがあるからなのです。
切るときは、タタラ板などをガイドに
すると水平に切ることができます。
工程18
こんな具合・・・。
先ほど書いた縦線、こうして切り離した
後で、どこがどの面だったかわかる
ための印だったのです。
このとき工程13で開けた穴をふさいで
おきます。
工程19
そして底面も内側の接地面も
木ベラなどをつかって継ぎ目を
しっかりつぶします。
工程20
次に「オトシ」の部分に取りかかります。
上下どちらにやっても特別な決まりは
無いようですが、小生は乾燥の方法の
理由などで下の方が縮みやすいよう
なので下側を切り込みます。
切るときは、口の厚みの真ん中を、
進んでいく1cm先を見ながら形に
そってフリーハンドでやります。
だいたい深さは5mm程度。
工程21
縦の切れ込みが出来たら内側の上面に
先にキズをつけてから横の切れ込みを
いれます。
このときもフリーハンドです。
あまり深いとあまりかっこよくないので
より集中力と注意が必要です。
工程22
ちゃんと切り離せたことが確認できたら
そのまま切り離さずに、先ほどキズを
付けた部分にドベ(泥)をはみ出さない
ように塗ります。
工程23
そうしたら上部分を下部分とずれない
ようにのっけて、少し上からおさえてから
もう一度はなすと・・・。
なんと上部にくっついてきます。
しかも合わせ目に置いたままくっつけた
ので、合わせ目はばっちりです。
工程24
継ぎ目をしっかりおさえて面取り
などをほどこして「オトシ」ぶぶんを
仕上げます。
工程25
合わせてもこのとおりです。
工程26
削りの工程までしばし乾燥です。
工程27
さあ、削りです。
肩のところから上面までつながる形に
するようけずります。
工程28
削り上がりはこんなぐあい・・・。
工程29
そして最後にロクロで回しながら
削り目にスポンジなどで水を含ませて
からプラスチック板やゴムベラなどで
なでて表面を仕上げます。
・・・というわけで完成。
ロクロ成型なので胴部分全体が均一に締められてることや、
上部と下部のつなぎ目の部分の土のしまり具合が同じなので
よほどのことがないかぎり歪むことはないと思われます。
興味のございます方は、是非おためしあれ!
天気も良く暖かかった、そんな本日。
作業中聴いていたのは・・・、
ゴンチチの「Legacy Of Madam Q(マダムQの遺産)」。
小春日和に心地好いゴンチチ・サウンド。
竹中直人の初監督映画「無能の人」にも使われていたようです。