さてさて、私的トンチ技法第2回、「ロクロを用いた多面陶匣」の前半。
これは、あくまで「私的」でありましてこれが正解ということでは
ありませんのでご了承いただいてご講読くださいませ。
さて、今回の「多面の陶匣」。タタラの張り合わせであったり、手捻りであったり
分厚くロクロ成型して削り倒したり、塊から削り出したりと方法は
いろいろあるとはおもうのですが、歪みやすかったり、削り目が嫌だったり
するので、小生は今回ご紹介する方法で作っています。
工程1
ロクロで少し厚めの垂直に立ち上がった
低めの鉢らしきものを引いて均等に
8カ所しるしを付けます。
工程2
その8箇所を角にして八角形に変形します。
このときあまり角を押し出してそまうと
あとで合わせの部分で「切れ」が発生して
しまうことがあるので、角を押し出す
というより角を固定して面をつくる感覚の
方が良いと思われます。
工程3
この状態で、水気が引くまで置いておきます。
(触ってもべとつかない程度)
工程4
さて、次に底の部分にあたるものを
造ります。
今回は小さいものなので手回しロクロを
使います。大きなものを造るときは、
電動ロクロを使っています。
工程5
まず手の平で叩いて平らにしてやります。
そしてコテやヘラなどを使って表面を
しっかりならしてやります。
工程6
さて、次に最初にロクロ成型したものの
口に櫛目を入れてやります。
工程7
その部分にドベ(泥)をしっかり塗ります。
工程8
さきほど作った底の部分に大体真ん中に
くるようにふせて乗っけて、潰れない程度
にしっかり抑えてくっつけます。
工程9
余分なはみ出た部分はいらないので
剣先などを使って切り込みをいれて・・・。
工程10
とりのぞきます。
余分な部分の下に刃物を少し
いれれば簡単に取り除けると
思います。
工程11
ロクロから切り離し、継ぎ目が見えなく
なるようにしっかりくっつけてやります。
工程12
この状態で削れる固さになるまで置いて
おきます。
今回はここまで。次回の仕上げに続きます。
そしてこの作業中聴いていたのは・・・、
Ann Sally「Moon Dance」。
ジャズやボサノバのカバーや「蘇州夜曲」、「星影の小径」などの馴染み深い唱歌
などが入ったアルバムです。
澄み切った歌声が心地好いこのAnn Sallyは、在日韓国人にして
現役心臓外科医という特異な経歴の持ち主。
つくづく天は二物を与えるものなのか・・・、と少々やっかみを感じてしまいます。